創業者支援の要諦・ポイント![第189回]

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


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 …公庫創業融資要件の本質は!

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創業者様が成功するかしないか?
創業時点でこれがわかる、このような傲慢なことを申し上げるつもりはありません。ただ、一定以上の確率で言い当てることはできそうです。以下、成功する確率の高い創業者様の特徴を整理させていただきます。裏を返せば、創業者支援の要諦・ポイントです。

※税理士事務所を開業される先生は、主語をご自身に置き替えて読んでください。

■本当に何もない創業は成功しません。

金・人・モノ・顧客…創業は、すべてないところから始まると言われますが、本当はそうではありません。本当に何もない創業は成功しません。

■自己資金と創業者様の経歴(経験)があるから創業できます。

◆創業資金、これは絶対に必要です。借入金も含めて(自己資金の方が当然ベターですが)一円でも多い方が成功確率は向上します。間違えありません。

○過小資本の創業は、大きなハンディキャップを伴うスタートです。必要な投資もできない、この経営は極めて難解です。当初からいばらの道を選択することになります。
○自己資金に対して大き過ぎる事業を計画することも無謀です。自己資金が100万円しか準備できないのに、事業総予算3,000万円の事業を興したい、これは力不相応です。当初から成功の確率を引き下げることになります。

過小資本で始める創業者様も、力不相応な過大な計画の持ち主も、双方とも成功の確率は極端に小さくなります。
特に前者の過小資本の場合、資金を使わないことから一見安全なようにも見えますが間違えです。最終的にうまくいかないので、多大な損失を被ります。創業しないことをお薦めしたいところです。

※今から開業する後発組の税理士さんが、過小資本で始めて成功する確率は高くないはずです。

◆差別化できる商品やサービス、このアイデアを実現できる蓋然性を持って創業してください。

○どこにでもある□□を、安く売る、または品ぞろえを広げて…、こんな事業はほぼ百%成功しません。特徴?個性?他との違い?…これらを構築することこそ事業です。

どこにでもある□□を、安く売る、または品ぞろえを広げて…、これは大資本のなせる業です。今は大資本でもほとんどやりませんが。
小さな会社は、とにかく尖ること、ニッチを狙うこと、他にない何かを提供すること以外に存在理由が見当たりません。
創業者様に、上記を実現できる経歴上の蓋然性があるかどうか?これが成功の確率を決めます。

※税理士の有資格者、税理士事務所勤務経験あり、これだけで差別化できる時代ではありません。後発組には+アルファが絶対に必要です。

■繰り返しますが…創業は何もないところから始めるのではなく、自分(創業者)以外には何もない、から始めることが条件です。自分(創業者)も含めて何もなければ始めることすらできません。故に、資金がなく、自分が頼りにならない創業はうまくいきません。

日本政策金融公庫の創業融資要件の本質はここにあるように思います。よくできた要件です。
※日本政策金融公庫の創業融資要件は以下です。
◎自己資金要件(創業融資額、運用は自己資金の9倍ではなく数倍~5倍程度)
◎経歴要件(取り組む事業に対する知見の深さ)
○事業計画の蓋然性(力相応かどうか?)
○事業総予算の妥当性(概ね総予算1,000万円未満)

■税理士さんの開業条件は…

1.事務所やソフト、+アルファのスキルの習得に投資できる資金。
2.ストックビジネスが立ち上がるまでの運転資金。
を準備した上で開業してください。
税理士事務所の開業にも当然デスバレーがあります。資金手当をしっかり実施して開業してください。また、この過程において、クライアントの創業支援を行う経験とスキルも習得できます。

※創業融資支援スキルの詳細は…
『WEB金融機関対応力習得研究会・講座No.3』で詳細を確認ください。スポット受講も可能です。
https://www.good-tax.jp/web-lecture/no-3/

◆貴事務所も、この機会に
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