ビッグモーター問題から学ぶ、高額報酬と過大ノルマ経営の末路![第520回]
業績向上は経営力アップで実現する!マネージメントに依存してはいけない!
(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
昔は、「(従業員には)最大限頑張れ、報酬はいくらでも払う。」と伝えていました。
今は、「(従業員には)頑張り過ぎないで、それに応じた報酬(少しだけ多めに)を支払います。」と思っています。
マネージメントについて、若いころと現在を比較すると、180度考え方が変わりました。
業績を上げるために最大かつ唯一の方策は、経営力(事業立地やビジネスモデル、値決めや売り方・・・)の強化しかないと考えているからです。従業員の頑張りによる業績向上の寄与度は低いと思っているからです。
1.経営の良し悪しは、従業員の頑張りではあまり決まりません。
◆1.経営の良し悪しは、経営力(事業立地やビジネスモデル、値決めや売り方・・・)の良し悪しで決まります。
そもそも
・何屋さんをするのか?
・どのようなビジネスモデル、マネタイズ方法を選択するのか?
・どの価格帯を攻めるのか?
・いかに素晴らしいプロダクトを作り上げるのか?
・販売の仕組みを作り上げるのか?
経営の良し悪しはこれらの経営戦略で大半が決まります。
◆2.(ほとんどの)従業員の役割は、業務の確実な執行であって、イノベーションではありません。
従業員に求めるべきは、担当する業務の確実な実行、再現(ルーチン)、概ね正確で、少しの改善があれば満点です。
中小企業では、社長とほんの一部の幹部社員が経営戦略を練る、又は、外部のリソースを活用して行います。
その他の従業員に業務の確実な執行以外の能力は不要です。
2.生産性は、従業員のポテンシャルではなく、その事業のポテンシャルで概ね決まります。
- 従業員のポテンシャルの差で生まれる生産性の幅はせいぜい▲50%~+200%ぐらいでしょうか。
- 一方、事業のポテンシャルから生まれる差は数倍~数十倍(例、サービス業と投資銀行の生産性の差)です。
経営者が意識すべきは、前者ではなく後者です。
3.ビッグモーターは何を間違えたのか?
◆1.ビッグモーターは、事業のポテンシャルを大幅に超える売上をマネージメント力で作りだそうとしました。
従業員に高額な報酬を与えることで、事業のポテンシャルをはるかに上回る収益を得ようと考えたのでしょう。
・店長の年収が数千万円以上
・営業マンの半数が1千万円以上
・数百億円以上の営業利益
事業のポテンシャルを大きく超える収益は、無理筋、度を超すと犯罪、からしか生みだせません。
◆2.グレーゾーンの無理筋の営業は、度を超すと犯罪化します。
・(△)諸経費を含まない金額表示(令和5年10月から総額表示が義務化)
・(△)アドオンの高金利ローンを勧める、(×)嘘を付く
・(×)諸々の違法行為
上手な営業からグレーな営業、違法な営業へと移行するのに多くの時間を要しなかったようです。
◆3.過度な報酬が、経営者・従業員双方を狂わせたようです。
・経営者は、年収3,000万円の店長には厳しいノルマを課したくなるはずです。
・さらに、べらぼうに高い人件費水準での高コストな経営を迫られたはずです。
・店長は、年収3,000万円を維持するために不正に手を染めたのでしょう。
報酬半分で普通に働いていても、十分経営が成り立ったはずなのにどこで歯車が狂ったのでしょうか?
■4.まとめ
- 経営の本質は事業立地やビジネスモデル、値決めや売り方・・・を良くすることです。
ここで生まれる生産性の差は数倍~数十倍あります。 - 経営者の仕事は、従業員を頑張らせることではなく、適度に働いてもらうことです。
従業員の頑張りの差はせいぜい▲50%~+200%程度しかありません。 - さらに、度を越した高額報酬は、経営陣と従業員を、会社を破滅に導くことを肝に銘じる必要があります。
- 従業員が80%位で頑張る、その時の売上と利益が実力である。
- 報酬は、業界水準+αを目指すべきである。(持て余す人材は別途重用する、又は、雇用しない)
- 業績向上は、従業員の頑張りではなく、経営力(事業立地やビジネスモデル、値決めや売り方・・・)アップで実現すべきである。
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