中小企業の人手不足・人材確保対策における成功事例[第630回]

…今後の実践的アプローチ
(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
貴社の経営、クライアントの経営支援のネタにご利用ください。
2025年現在、日本全国の中小企業が直面している最大の経営課題のひとつが「人手不足」と「人材確保」です。
労働人口の減少、都市部への人材集中、就労観の変化など複合的な要因が背景にあり、特に地方や製造業、サービス業では深刻な状況が続いています。
しかしながら、こうした困難な環境の中でも、独自の工夫と実践を通じて人材確保・定着に成功している中小企業も少なくありません。
以下では、全国の成功事例を5つ紹介し、貴社が今後取り組むべき実践的なヒントを整理します。
■成功事例に学ぶ5つの戦略
【1】外国人材の積極採用と育成制度の整備
製造業を中心とした複数企業では、外国人労働者の採用と、彼らを支える教育体制の強化により人材不足を補っています。
たとえば三位一体の社内教育制度(上司・先輩・教育係が連携)を導入することで、言語や文化の壁を乗り越え、定着率の向上に成功しています。
【2】IT活用と業務改善による「働きやすさ」の実現
岡山県の製造業企業などでは、事務・現場業務のIT化を推進し、残業削減・有給取得促進など、働き方の改革を実現。
従業員満足度が向上し、離職率低下と採用力の強化につながっています。
【3】採用広報と企業ブランディングの見直し
金沢市の小規模設計会社では、自社採用サイトのリニューアルに注力。
職場のリアルな雰囲気や社員インタビューを掲載することで、採用後わずか3週間で目標人材の獲得に成功。
求人票やWebコンテンツの「魅せ方」の工夫が効果を発揮しています。
【4】シニア人材・女性の活用と多様な勤務形態の導入
高齢者や子育て世代を積極的に受け入れる体制を構築した企業もあります。
例えば「番頭制度」など、ベテラン技術者の知見を若手に継承させる仕組みや、短時間勤務の導入で幅広い層から人材を確保しています。
【5】地域密着型採用と職場環境の見える化
滋賀県・福井県など近畿圏では、地域の企業が連携し「採用と定着成功事例集」を活用。
求人活動の分析、リーダー育成研修、職場環境の改善といった取り組みを通じて、地域ぐるみで人材の流出防止と定着支援を実現しています。
■人材確保の本質は「選ばれる企業づくり」
以上の事例から明らかなのは、人材確保に成功する企業は「人を大切にする姿勢」「働く環境の整備」「情報発信の工夫」に注力しているという点です。
求人広告だけに頼るのではなく、
・社内文化の見直し
・教育制度の充実
・柔軟な働き方の導入
・自社の魅力を適切に伝える力
こうした取り組みが、「人に選ばれる企業」としての競争力を高めているようです。
「うちは小さい会社だから…」「人事に手をかける余裕がない」といった声も聞かれますが、
小さな工夫でも確かな成果を生むことができます。
上記等を参考にして、自社の人材戦略を見直し、持続可能な成長を実現していただければ幸いです。
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