外国人留学生を適法に、戦略的に活かす[第635回]

…成果をあげている中小企業の5つの事例
(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
貴社の経営、クライアントの経営支援のネタにご利用ください。
人手不足、グローバル化、多言語対応…これらの課題に直面している多くの中小企業にとって、「外国人留学生の採用・活用」は、もはや選択肢のひとつではなく重要な経営戦略です。
しかし、留学生アルバイトの違法就労問題や、就労ビザ切り替え時のトラブルが報道される中、「どうすれば“正しく”活用できるのか?」という問いが増えています。
以下、外国人留学生を適法かつ戦略的に活用して、実際に成果をあげている中小企業の事例を5つ紹介します。
■【事例①】大和合金株式会社(埼玉県/製造業)
非鉄金属の製造を手がける同社は、JETプログラム出身者や理系外国人留学生を継続的に採用。
インターンシップ制度や教育体制を整備し、現在は社員の約10%が外国籍という多様性ある組織を築いています。
提言①:外国人材は「グローバル展開のパートナー」として戦略的に位置づけましょう。
採用の目的を「人手不足対策」だけに限定せず、語学力や異文化理解力を活かして海外販路の開拓・海外取引の拡大へと結びつける発想が重要です。
■【事例②】木村工業(宮城県/建設業)
建設業界の人手不足に対応する中で、専門学校卒の外国人留学生を積極採用。日本語教育や寮の整備、評価制度の明文化を通じて、安定した定着とキャリアアップを実現しています。
提言②:キャリアパスを明示し、定着を促す育成設計を構築しよう。
「補助的な労働力」として扱うのではなく、日本人社員と同じように評価・昇格の道筋を提示することで、外国人社員のモチベーションと忠誠心が高まります。
■【事例③】リゾート観光業(青森県/宿泊業)
インバウンド対応を目的に、大学院生のマレーシア人留学生を3ヶ月のインターンで受け入れ。翻訳、企画、英語対応などを任せ、後に正社員登用。
提言③:「インターン→採用」ルートを設けて、適応リスクを下げる。
インターン制度を活用すれば、企業も学生もお互いに相性を確認でき、ビザ申請や業務理解の齟齬を最小化できます。
■【事例④】プランレグナテック株式会社(九州/製造業)
英語・中国語が堪能な留学生を採用し、既存海外取引の強化、新規販路の開拓に貢献。採用活動もオンライン面接を導入するなど、柔軟に対応。
提言④:言語・文化の多様性を経営資源として活かそう。
留学生は「通訳」以上の存在。日本では気づかない市場ニーズや文化的ギャップを教えてくれる存在として重宝できます。
■【事例⑤】中小製造業(関西/事務系外国人活用)
事務・経理・営業サポート業務においても外国人留学生を登用。
日本語教育、定期面談、評価制度を導入し、社内の戦力として活躍中です。
提言⑤:「現場作業」以外でも活躍できる場を広げよう。
製造や接客だけでなく、バックオフィス業務にも優秀な外国人留学生は多く存在します。職域の固定観念を打破することが、優秀な人材確保に繋がります。
■中小企業だからこそ、柔軟に取り組める
大手企業に比べて組織がフラットで、意思決定も早い中小企業こそ、外国人留学生の力を柔軟に活かせる土壌があります。
「違法にならないようにする」ことは当然の前提。その上で、彼らの能力・視点を“会社の未来を変える原動力”として活用していくことが、これからの中小企業経営者に求められる視点です。
※法令遵守は「信頼構築」の第一歩です。外国人留学生を採用する際には、法令・制度への理解と対応が不可欠です。
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