真の財務支援業務（＝財務部長代行業務）を始めませんか！（その２）[第358回]

（毎週火曜日配信）税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事　田中英司

…財務支援は、３つのレベルに区分できます！

◆１．融資資料の作成支援や金融機関同行など、クライアントからの依頼を受けて（消極的に）行う支援業務です。

• 「金融機関に提出する資料など、わからないことがあればお手伝いします。」
• 「必要であれば金融機関に同行してあげます。」
• 「金融機関を紹介してあげます。」

⇒【相談に乗ってあげる】レベル！

この業務を財務支援と呼ぶこと、まして有料化するのには無理があります。あくまでも助言、その助言が的を射ていれば感謝されますが…。
そもそも、適切な資料作成ができないクライアントに対して「金融機関に提出する資料などわからないことがあればお手伝いします。」と伝えること、また、金融機関対応の全体像を描かずに行う「金融機関同行」や「金融機関紹介」にどれだけの意味があるのか甚だ疑問です。

◆２．資金調達のための金融機関対応や、リスケのための経営改善計画書作成などのスポット支援業務です。

• 資金調達の依頼を受けて、その依頼に沿って金融機関対応を行います。
• リスケの依頼を受けて、その依頼に沿って経営改善計画書の作成などを行います。

この時の対応も、「クライアントを支援する…」消極的対応と、「事務所が主体的に対応する…」積極的対応に分かれます。

⇒【スポット支援・トラブルシューティング】レベル！

融資戦略の立案から金融機関対応までを主体的に行うのであれば相応の価値が生まれます。役務として有料で提供できます。ただ、これらの業務はあくまでもスポット業務・トラブルシューティングであって、財務支援のほんの一局面にすぎません。

◆３．クライアントの財務に対して指針を提示して、その指針に沿った資金調達を含む財務支援業務のすべてを継続的に行います。あたかも「財務部長」の様に対応します。

• 財務指針の提示「潤沢に資金を持ち続ける。」
• 資金繰り計画の立案と継続的管理。
• 適時資金調達（または、リスケ）の実施。
• 財務部長としての継続的な助言。
• 上記のすべての業務に関して積極的に関与する。（金融機関窓口業務を担う）

※上記の業務をすべて担っても、年間の工数は数十時間程度です。
中小零細企業には、それほど多くの財務部長（代行）業務は発生しません。重い仕事ではありません。

⇒【継続的支援・積極的関与（＝財務部長）】レベル！

財務指針に沿って（を持って）、積極的・主体的、継続的に行う業務こそが真の財務支援業務です。極めて合理的かつ効率的です。クライアント・金融機関との関係も有効に機能します。この業務を通じて、税務に付加する継続的な二階建て業務、役務を提供できます。これこそが、真の財務支援業務と確信しています。

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