経営がうまくいっている会社は戦わない![第557回]

…戦略とは戦いを略すとの意味です。

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司

自事務所の経営に、クライアントの経営支援にご活用ください。

◆1.『競合しない』ビジネスを構築できています。戦いを略す戦略を有しています。
◆2.『利益を確保できる』利益率が設定されています。
◆3.『安売りをしない』との決意が固いです。
◆4.『売上至上主義』ではありません。
また、これらの基本ルールを死守するための勉強に熱心に取り組んでおられます。勉強熱心です。

◆1.競合しない!

競合を出来るだけ回避する、ビジネスを設計する時に最初に考慮すべき事柄、まさに戦略のことです。
同じような商品・サービスを同じように売っていても、うまくいかないのは当然です。
違う商品・サービスを、違う売り方で、店舗ビジネスでは違う場所で売る、この原理原則をしっかり確認しましょう。
競合の真ん中で戦う、どんなに頑張り続けてもうまくいかない(売れない)のはこのためかもしれません。

◆2.利益を確保する!

利益を確保する、ビジネスを設計する時に極めて重要な視点です。
同じ投資をして、同じ経費で、同じ売り上げを上げても、その粗利益率が30%か40%か50%か、この違いは利益に格段の差をもたらします。
その後の経営が全く変わります。儲からない利益率を設定したがために、どんなに頑張り続けてもうまくいかない(利益がでない)のはこのためかもしれません。

◆3.安売りをしない!

安売りをしない、販売戦略から安売りの発想を捨ててください。
売上をいくら伸ばしても、その価格を割り引いてしまっては何の意味もありません。
10%の値引きは、最初から利益を10%放棄することと同義です。
忙しいのに儲からない状況「繁盛貧乏」に陥るのは、安売りをするから、または、そもそも値決めが安すぎる(当初から安売り状態)からかもしれません。

◆4.売上至上主義に陥らない!

売上ではなく、利益を優先して求めて(管理)ください。
「いくら売れそうか?」「いくら売れた?」ではなく、「いくら利益が出そうか?」「いくら利益が出た?」で管理してください。
社長は「売上」ではなく「利益」を求めてください。
赤字に陥るのは、そもそも「利益」を最初から求めて(管理)いないからかもしれません。

○うまくいかない経営を行っている会社は、案外単純です。上記の様な基本を外しているからです。軌道を修正してください。
○そもそも上記の基本を外したプランで創業を企てる創業者様も少なくありません。見直してください。

●力相応オンリーワンを目指す。
 →どこにでもあるネタをビジネスにしない。一工夫、二工夫…
●低粗利益率のビジネスは行わない。
 →粗利益率30%未満はおすすめしない。小資本企業には難解です。
●価格を売るための道具に使わない。
 →安売りはしない。
●売上至上主義に陥らない。
 →売上よりも利益を優先する。

この機会にご自身のビジネスモデルを点検してください。
特に、有店舗型のビジネスは、その立地(競合状況)によって業績が大きく変わります。また、立地の置き換えは容易ではありません。
立地の選定には多くのエネルギーを費やしてください。

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