経営支援ノウハウの習得は、事象からのアプローチが現実的です。[第162回]

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


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…経営支援は、その領域が大きすぎて、体系的・網羅的・論理的なアプローチ方法が見つかりません。
(世の中にありません。皆無です。)

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経営支援、経営相談への対応や事業計画策定支援は大変難解なテーマです。(金融機関対応を含む)財務支援よりもはるかに大きな領域です。領域が大きすぎて、体系的・網羅的・論理的なアプローチ方法が見つかりません。(世の中にありません。皆無です。)税理士事務所がこのテーマを習得する方法は、多分、上記のアプローチではなく、事象からのアプローチ※が現実的かもしれません。
※事象からのアプローチとは…○○の時はこうする、△△の時はこうする…これを積み上げていく方法。

それでも、汎用的なルールや方法を見つけてご提供したいと考えています。研究を続けます。

例えば…※以下の4つの事象からのアプローチを試みてください。

■助言のポイント1:力相応オンリーワンを目指しているか?

まず、クライアントが行っている事業について助言します。
助言のポイントは、「どこにでもあるネタをビジネスにしていないか?」です。
一工夫、二工夫できているのか?さらに工夫できることはないのか?
小さなオンリーワンを作る必要があることを伝えて、ヒントを聴きだして方向性をまとめてあげます。
※どこにでもあるビジネスを、そのまま忠実に再現しようとする社長、それで良いと考える社長は少なくありません。どこにでもあるビジネスを、そのまま忠実に再現してもうまくいかないことを理解してもらいましょう。

⇒「工夫を継続して、小さくてもオンリーワンを探す」これを理解いただく。

■助言のポイント2:粗利益率が妥当か?

決算書や事業計画書から粗利益率の実績・推移や計画を確認します。
助言のポイントは、「そもそも粗利益率が低すぎないか?」です。
・粗利益率を大幅に向上させる施策はないか?
・低粗利益率のビジネスは難解であること。
を解説します。
方向性として、概ね粗利益率を向上させるための施策について、ヒントを聴きだして方向性をまとめてあげます。
※創業時から低すぎる粗利益率を設定して、その泥沼の中で苦しみ続けている社長もおられます。救い出してあげましょう。

⇒「粗利益率の重要性、収益との因果関係」これを理解いただく。

■助言のポイント3:価格を売るための道具に使っていないか?

粗利益率の考察ともかぶりますが、営業利益の実績・推移や計画を確認します。
助言のポイントは、「そもそも値決めを間違えていないか?」です。
・価格は妥当か?もっと高くできないか?
・価格を帳尻合わせの道具に使っていないか?
方向性として、(概ね)より高単価を模索するための施策について、ヒントを聴きだして方向性をまとめてあげます。
※中小企業の大半は価格を売るための道具に使っています。また、安くしすぎる傾向にあります。安売りの呪縛から解放してあげましょう。

⇒「値決めの重要性」これを理解いただく。

■助言のポイント4:売上至上主義に陥っていないか?

売上はいくらですか?粗利益率はいくらですか?営業利益・最終利益はいくらですか?
売上しかわからない社長も少なくありません。この社長にとって、利益はそもそもどうでもいいのです。
利益をだすことを目標に掲げて、売上ではなく利益を社長の管理項目に格上げしてもらうことを助言します。
※売上至上主義ではなく、利益至上主義の経営への転換を目指してもらいます。

⇒「利益の重要性」これを理解いただく。

◆クライアントに提示すべき『経営の方針』、その要諦は『繁盛貧乏に陥らない』ことです。(銀行融資プランナー協会)

○力相応オンリーワンを目指す。
 →どこにでもあるネタをビジネスにしない。一工夫、二工夫…
○低粗利益率のビジネスは行わない。
 →粗利益率30%未満はおすすめしない。小資本企業には難解です。
○価格を売るための道具に使わない。
 →安売りはしない。
○売上至上主義に陥らない。
 →売上よりも利益を優先する。

※『財務支援』のソリューションとあわせて、税理士事務所がクライアントの経営支援を行うためのソリューションの開発に着手いたします。

貴事務所も、この機会に銀行融資プランナー協会とのお付合いを始めてみませんか。

◆ダイジェスト動画(約18分)をご視聴ください。
映像タイトルは…
◎税理士・会計事務所の皆さまへ
『新・税理士』宣言とは…
『銀行融資プランナー協会』とは…
中小・零細規模企業・個人事業者様が抱える『財務無策』とは…
http://www.good-tax.jp/topics_sv-19.html