【クライアント(候補)への提言】[第21回]
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━━━━━━━━━━━■━[第21回] 2014/01/28 ━■━━
税理士・会計事務所の皆様
こんにちは。GPC-Tax本部会長の田中英司です。
本メールでは、税理士事務所の運営を実際に行いながら
(過去一年、新規顧客を営業しないで40件獲得しています)、
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◆今週のテーマ:クライアント(候補)への提言
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『中小企業経営者・創業者が押さえておくべき銀行取引の基本ルール10』
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当事務所及び銀行融資プランナー協会正会員事務所では、クラ
イアント(及び候補)に向けて、以下の『銀行取引指針』を提
言しています。
◎中小企業経営者・創業者が押さえておくべき
銀行取引の基本ルール10
(※注記:ここでは、金融機関を総称して銀行と呼びます。)
■『晴れの日にはお金(傘)を貸して、雨が降り出したらお金
(傘)を返せと言う』、これが銀行です。銀行の成り立ちと、
ビジネスモデルを説明してあげてください。
銀行は
・貸出しの原資は預金です。預金者保護、融資金の回収は必須です。
・赤字補てん資金、こんな融資科目はありません。
・「苦しいから貸して」これは絶対禁句です。
・晴れの会社に傘を貸して利息を稼ぐ、これが基本的な収益モ
デルです。
・伸びる会社を伸ばす、これがミッションです。
銀行にある傘は、すべて『日傘』です。『雨傘』は一本も置い
ていません。当然、雨が降ったら返せと言います。
●ルール1:銀行交渉は、いかなる時も前向きに「日傘」し
かないからです。
(※一部の制度融資・保証商品は除きます。)
■『金利負担を気にせずに、借りられるだけ借りよう』と提言
してください。中小企業の資金政策に対する誤解があります。
以下を説明してください。
・貴社は、適時定量な資金調達が出来る優良企業ですか?
・銀行が「借りてください」と言ってくるから優良企業だ、違
います。
・悪くなった時に貸してくれる会社が真の優良企業です。
・適時適量な資金調達が出来る会社なんて、ほとんどありません。
・ほとんどの会社は良い時に(のみ)貸してくれる普通の会社です。
2つのリスクを比較してみましょう。
○リスク1:金融機関から融資を過度に受け過ぎて、資金が余
る時のリスクは、余分な金利を支払う事です。
○リスク2:必要最低限の資金のみを調達し、余分な資金を調
達しない時のリスクは、資金が枯渇して、継続が
困難(倒産)になる事です。
中小企業は、前者を選択すべきではないでしょうか。
また、決算前に、財務指数を改善するために、借入れを意図的
に返済して総資産を圧縮したり、自己資本比率をあげたりこ
んな愚策を行ってはいけません。決算上の指標は、融資審査時
(格付け時)に補正されます。
また、「無借金経営を目指してください」と良く言われます。
その通りです。但し、プロセスではなく、結果として目指しま
しょう。
確認します。銀行は、困っていない時にお金を借りに行くとこ
ろ、困ったら貸してくれません。
●ルール2:お金は、借りられる時に借りられるだけ借りておく。
●ルール3:財務諸表、自己資本比率等々、中小企業には(ほと
んど)無関係です。
●ルール4:無借金経営は最終的な目標です。
■『運転資金は、最低年一回は借り直す。出来れば積み上げて
ください。』と提言してください。以下を説明ください。
・借入れは、新たに借りなければ残高が減ります。手元資金が
減ります。財務キャッシュフローはマイナスです。
・営業キャッシュフローのプラスで、財務キャッシュフローの
マイナスを賄えていない会社は、絶対に年一回は、返済済み
分を借り直してください。
・お金が減ってきたから借りるのではなく、定期的に返済分以
上の融資を受ける、これが正解です。
●ルール5:運転資金は毎年借り直す。
上記をご説明ください。銀行取引に対する世間の常識の内の幾
つかは、明らかな間違えです。正確に申し上げるなら、それら
は上場企業クラスに対する常識であって、中小企業には当ては
まりません。間違えた常識を鵜呑みにせず、論理的に考えて行
動してください、と提言してください。
■『分相応な銀行とお付き合いしてください。』と提言してく
ださい。以下を説明ください。
・大きな銀行は、融資ロットが大きく、その分低金利で融資を
行います。一方、小さな銀行(信用金庫・信用組合)は、融
資ロットが小さく、その分少し高めの金利で融資を行います。
・大きな銀行は、大きな会社が主な貸し先です。融資審査も定
量評価が中心です。一方、小さな銀行は、小さな会社が主な
貸し先です。融資審査は定性評価の比重を高く取ってくれま
す。
・BIGネームだけを求めず、最適な銀行と真摯にお付き合いして
ください。
●ルール6:取引銀行は、分相応が良い。
■『銀行は重要な取引先のひとつです。信義に沿ってお付き合
いください。』と提言してください。以下を説明ください。
・信頼関係が重要です。ウソをつかない、誠実に、丁寧に対応
してください。
・経営がわかりにくい会社との取引は好みません。経営状況を
わかりやすく説明しましょう。適時決算資料を開示できる状
況を作りましょう。
・銀行から見て疑問が残る項目については、察して積極的に説
明資料を準備しましょう。誤解を受けたまま、審査でNGにな
るケースがあります。
・すべてにおいて書面での対応が必要です。口頭のみでの対応
では先方が困ります。銀行側が手間を嫌ってNGになることも
あります。書面で対応しましょう。
●ルール7:銀行とは信義に沿って付き合う。
●ルール8:銀行対応は、原則書面で対応する。口頭対応のみ
ではNGです。
■『創業時でも資金調達は出来ます。出来るだけ調達してくだ
さい。』と提言してください。
・日本政策金融公庫は、創業融資に熱心に取り組んでくれます。
また、自行店舗の近隣の創業企業への融資を行う銀行もあり
ます。日本の創業融資も捨てたものではありません。
・創業時の自己資金の2倍、プラスを調達できることもあり
ます。
・自己資金の出所についてはエビデンスが必要です。
・事業計画書も当然必要です。
●ルール9:創業時融資で最大限の調達を。
■『未来に展望がある会社はリスケ出来ます。』認識を改めて
ください、と提言してください。
リスケの条件は、
・財務キャッシュフローのマイナスを、営業キャッシュフロー
で賄えない状況が続いている中で、新規の融資を受けること
ができない会社は、リスケを依頼しましょう。
・リスケ依頼時には、一定期間経過後、正常な状態に戻せる計
画書が必要です。
・未来永劫厳しく、立ち直る見込みが立たなければ、銀行はリ
スケを認めてくれません。
・「苦しいからリスケさせて」これではダメです。「今は厳し
いが、リスケして必ず巻き返す。計画は」このストーリー
が必要です。
●ルール10:リスケも前向きに。口頭ではNG、計画書が絶対
に必要です。
上記を提言してください。銀行と良好な取引を続けるためには、
ストーリーに沿った適時適正な情報を、書面で提供する必要が
あります。保証協会や日本政策金融公庫、信用金庫や信用組合
等は、決算書以外のこれらの書類を定性評価として高く評価し
てくれることも少なくありません。
一方、銀行対応は苦手と自負する社長は、これらの対応をない
がしろにしてしまい、可能なはずの資金調達も没にしています。
残念です。
金融機関対応力を習得して、クライアント(候補)の銀行対応
を全力でサポートしてあげてください。
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