忙しいけど儲かっていない「繁盛貧乏」の状態に陥るのは経営のミスです。[第253回]

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


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 …「繁盛貧乏」からの脱却を!
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■「繁盛貧乏』から脱却しませんか。

○忙しい、故に大いに儲かっている。
⇒「繁盛高収益」、職員の増員を行って、その多忙状態から抜け出しましょう。

○忙しくもないが、大いに儲かっている
⇒「閑散高収益」、規模の拡大により、利益額を増大させましょう。

○たいへん暇である。故に儲かっていない。
⇒「閑散貧乏」、まずは事業立地※の見直し、次に広報を実施しましょう。

○忙しいけど儲かっていない。
⇒「繁盛貧乏」、経営が間違えています。練り直しましょう。

経営は、暇だから儲かっていない「閑散貧乏」の状態か、忙しいけど大いに儲かっている「繁盛高収益」の状態が正常です。
また、忙しくもないが、大いに儲かっている「閑散高収益」の状態を作れる経営者は極めて優秀です。
一方、忙しいけど儲かっていない「繁盛貧乏」の状態に陥るのは経営のミスです。

■「繁盛貧乏」状態の事務所様は、「10・10・10、SP流トリプル10プロジェクト」を実施しませんか。

1.10%顧客が減ってもかまわないとの覚悟を持って、
2.平均10%の値上げを生産性の悪いクライアントから順番に行います。
3.上手く進めると10%営業利益が増えます。
生産性の悪いクライアントに10%以上の値上げをお願いして、その多くが離れていく状況であれば、それはそれで経営を見直す必要があります。
状況によってはリストラも行いながら、経営の根本を見直す機会にするしか他に方法はありません。
「案外値上げが通る」、この結果が大半です。

◆クライアント数50の事務所様…
1.クライアント数が5つ減って45になってもかまわないと考えてください。
2.単価は平均で10%アップします。
3.生産性は10%以上向上します。売上も変わりません。

※実際には、生産性が最下位のクライアントには10%をはるかに超える値上げを依頼します。
生産性上位のクライアントには値上げ依頼を行いません。生産性最下位のクライアントから順番に慎重に進めてください。

◆クライント数200の事務所様…
1.クライアント数が20減って180になってもかまわないと考えてください。
2.単価は平均で10%アップします。
3.生産性は10%以上向上します。売上も変わりません。

※実際には、生産性が最下位のクライアントには10%をはるかに超える値上げを依頼します。
生産性上位のクライアントには値上げ依頼を行いません。生産性最下位のクライアントから順番に慎重に進めてください。

■さらなる拡大の前に、拡大できたら高収益になれる絵を描いてください。

「繁盛貧乏」に陥ったままで、その規模の拡大を続けても、いつまでたっても「繁盛貧乏」が続きます。
税理士事務所は、単純に規模の利を享受できるビジネスモデルではありません。
クライアント数50の「繁盛貧乏」事務所は、そのクライアント数が200になっても「繁盛貧乏」事務所です。

■繰り返し言及していますが…

「日本の企業(税理士事務所)は顧客の声を聞きすぎる。顧客の過度な要望への対応は、企業(事務所)を疲弊させ、低生産性の元凶になっている。
顧客を神さまと勘違いして、過剰な対応を行うということは、一方で、自社(自事務所)の経営と社員(職員)を疲弊させることになる。
顧客に提供するサービスの内容と、負担いただく価格のバランスが、国全体として崩れてしまっていることが、日本の生産性を著しく低くしてしまった。
〔お人好し症候群〕が起点となり、〔分散症候群〕と〔安売り症候群〕が常態化している。…」

上記の仮説は、貴事務所のクライアントにもあてはまります。
経営支援の指針としてください。ただし、まずは自事務所から取り組んでください。

◎忙しいけど儲かっていない「繁盛貧乏」の状態に陥るのは経営のミスです。


※事業立地の見直しとは…
【税務の役務を提供する『税理士』】ではなく、【税務に付加して財務の役務を提供する『新・税理士』】が有望です。
事業立地を隣に移す、これで競合が極端に少なくなります。
ソリューションはすべて準備できています。

※以下の税理士・会計事務所様が『新・税理士』ソリューションを導入されておられます。
https://www.bankfinancial-planner.com/area-madoguchi/

◆貴事務所も、この機会に
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