税理士事務所経営、その成否にはルールがありそうです。[第259回]
(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司
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…クライアントのレベルと事務所のレベルは相関します。
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■成功している事務所は…
◆うまく行っている事務所のクライアントは概ね
(70~80%以上)黒字経営です。
意図的かどうかは別にして、クライアントを選別
する機能を有しています。この選別機能の有無は、後の事務所の成長に大きく影響します。
◆時流適合できている事務所はうまく行っています。
広告の解禁、WEB広告、ITへの対応、創業者支援、財務支援等、時流を早期に捉えて対応できている事務所は業績を伸ばしています。
◆成功している事務所は、良いビジネスの型を持っています。プロダクト型です。
プロダクト型とは、サービスを明確に商品化して提供することです。拡張性・収益性、クライアントの選別機能、最適な型です。
1億円を大きく抜ける事務所はこの型です。
※ただし、どのようなプロダクト(サービス)であっても、そのプロダクトの習得には相応の時間と努力が必要です。
諸々を食い散らかしても身になりません。3年~5年の計で取組む必要があります。
また、ほとんどの所長は、ビジネスの型と向き合ったことがありません。もったいない、残念です。
※事務所の収益や拡張性は、事業立地(誰に何を売るのか?)とビジネスの型で大半が決まります。
マネージメントやマーケティングの上手下手は、それらの下位の概念です。
■うまく行っていない事務所は…
◆低単価指向の事務所は、未来永劫厳しい経営に収束します。
経営が難解です。価格志向の強いクライアントの集合体とのビジネスは、未来永劫価格志向です。
ビジネスの醍醐味である付加価値アップができません。
◆実力以上に色々なサービスができると謳う事務所はうまく行っていません。
権威も実力もない事務所が経営支援を謳っても、優秀な社長は依頼しません。寄ってくるのは▲▲な経営者だけです。
まして、あれも、これも…対応できます、まともな経営者は信用しません。
◆過小資本の開業から成功した所長はレアケースです。
ほとんどの開業税理士さんは、それ相応の資金を投入して事務所を立ち上げています。
極小の資本で成功した先輩の話を鵜呑みにしてはいけません。レアケースです。
◆若葉マークの所長は、利益を度外視してもクライアントの数を求め、職員を増やしたがる傾向にあります。
成功の証をクライアント数と職員数に求めてしまうのでしょうか。本当は、少ない職員で多くの利益を上げることを目標にすべきですが。
■その他、事務所経営の要諦は…
◆事務所の成長限界は、そのビジネスモデルと所長の実力の積で決まります。
相当優秀な所長でも、そのビジネスの型が悪ければ1億円位で成長が止まります。逆に、力技だけでも1億円位までは成長できます。
◆うまく行っていない事務所の職員は薄給で、少しうまく行っている事務所の給与は高給で、かなり上手く行っている事務所の給与は適正額です。
最低賃金のアルバイトばかり集める事務所は、やはり安物の事務所になり下がります。
逆に、高給で優秀な人をかき集めても、少しはうまく行きますが大成はしません。最終的には、適正な給与体系の整備が必要です。
◆高単価のサービスを展開する事務所は、まずまずうまく行きますが、その拡張性には疑問が残ります。大成はしていません。
高単価は極めて高度なスキルを要します。事務所としての拡張性・再現性に難が残ります。
◆ストア型のビジネスモデルは、大事務所向けの型です。小さな事務所ではうまく行きません。
ストア型とは、幅広く様々なサービスを展開することです。
力のある事務所は、収益性、拡張性、クライアントの選別機能を有するプロダクト型を選定されています。
※複数のプロダクトを薄く導入しても、その成果は限定的です。
蟻の目ではなく、鳥の目で事務所経営を考えるヒントになれば幸いです。
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