未来人材ビジョン!(その1)[第465回]

…生産年齢人口は、2050年には現在より28%減少する!

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司

面白いレポートを見つけたのでご紹介します。

■未来人材ビジョン(経済産業省、令和4年5月)

サブタイトルは、『2030年、2050年の未来を見据え、「旧来の日本型雇用システムからの転換」と「好きなことに夢中になれる教育への転換」を!』となっています。

■「未来人材ビジョン」のポイント

「未来人材ビジョンでは、将来の労働需要の変化を推計した上で、社会システム全体を見直す大きな方向性を二つに整理し、今後取り組むべき具体策を示しました。

一つ目は、「旧来の日本型雇用システムからの転換」です。今後は、人を大切にする経営への改革を推進していく必要があります。
そのために、”実践”と”開示”の両輪で進めていくことが重要であり、変化を加速させる「場」の創設等に取り組みます。

二つ目は、「好きなことに夢中になれる教育への転換」です。このため、公教育の外で才能を育成する民間プログラムの全国ネットワークの創設等に取り組みます。

この未来人材ビジョンは、あくまでも最初の出発点として提示するものです。
それぞれの産業や職種において、組織内の人事制度や業界の人材育成の在り方の議論に一石を投じることになれば幸いです。」(引用)

■気になるポイントを抜粋して解説します。

◆生産年齢人口は、2050年には現在より28%減少する。

生産年齢人口(15歳~65歳)は、1995年をピークに減少を続けており、2020年には7,400万人、2050年には5,300万人まで28%減少します。
失われた30年と言われますが、日本は過去30年間生産年齢人口の減少を労働参加率の向上で補いながら、GDPの総額を維持してきました。
ある意味踏ん張ってきた30年でした。今後はさらに生産年齢人口の減少が進むため、生産性の向上以外に日本の国力を維持する方法はありません。
2050年までに28%の生産性を向上させることで現状維持できるということです。これは現状維持であって成長ではありません。

この課題を解決するためには、中小企業事業者を含むすべての事業者にイノベーションが必要です。
過去のやり方をそのままだらだらと続けていては低成長・停滞のサイクルから抜け出せません。

◆解決策の一つとして次の事を示しています。

『次の社会を形づくる若い世代に対しては、
・「常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力」
・「夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢」
・「グローバルな社会課題を解決する意欲」
・「多様性を受容し他者と協働する能力」
といった、根源的な意識・行動面に至る能力や姿勢が求められる。
現場を支える方々を含めて、あらゆる人が時代の変化を察知し、能力やスキルを絶えず更新し続けなければ、今後加速する産業構造の転換に適応できない』(引用)

◆また、これからの人材に求められる能力として次の事を示しています。

『現在は「注意深さ・ミスがないこと」、「責任感・まじめさ」が重視されるが、将来は「問題発見力」、「的確な予測」、「革新性」が一層求められる。』(引用)

『こうした変化に対処するため、産業界と教育機関が一体となって、今後必要とされる能力等を備えた人材を育成することが求められている。その際、時間軸を分けて考えることが重要である。
2030年目線…今の社会システムを出発点として変化を加える
2050年目線…全く異なる社会システムを前提に、バックキャストして、今からできることに着手する。今回の「未来人材ビジョン」は、この考え方に従い、大きな方向性と当面取り組むべき具体策を示したい。』(引用)

●未来人材ビジョン!全文
https://onl.bz/bkZQrRM

…次回号につづく


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