2024年版中小企業白書・小規模企業白書の概要[第572回]

…中小零細企業の課題と方針がまとめられています。

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司

本年5月に公開された上記の白書の概要について、抜粋して引用いたします。
貴事務所の経営やクライアントの支援にご活用ください。

詳細は以下を確認してください。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2024/PDF/2024gaiyou.pdf

『事業者が直面している課題として、売上高が感染症による落ち込みから回復し、企業の人手不足が深刻化していることが挙げられる。今後の展望として、就業者数の増加が見込めない中で、日本の国際競争力を維持するためには、省力化投資や単価の引上げを通じて、中小企業の生産性を向上させていくことが期待される。』

(中小企業白書)
成長する中小企業の行動を分析すると、企業の成長には、人への投資、設備投資、M&A、研究開発投資といった投資行動が有効である。
また、成長投資に伴う資金調達手段の検討も必要である。

(小規模企業白書)
小規模事業者は、中小企業と比べ厳しい経営環境にある中で、コストを把握した適正な価格の設定や、顧客ターゲットの明確化に取り組むことで、売上高の増加につながることが期待できるほか、支援機関の活用も効果的である。また、新たな担い手の参入も生産性向上の効果が期待できる。

◆人手不足
  • 売上高が感染症の落ち込みから回復する中で、人手不足が深刻化。
  • これまでは、生産年齢人口の減少を補う形で女性・高齢者の就業が進んできたが、足下は就業者数の増加が頭打ちとなり、人材の供給制約に直面。
◆雇用者一人当たり労働時間の減少と人手確保のための取組
  • 時間外労働の上限規制に伴い、雇用者一人当たり労働時間の減少が労働投入量を下押ししている。
  • 人材を十分に確保できている企業では、働きやすい職場環境・制度の整備が進んでいる。
◆人材確保・育成
  • 人材の確保に向けては、経営戦略と一体化した人材戦略を策定した上で、職場環境の整備に取り組むことが重要。
  • 人材育成は、人材の定着や労働生産性の向上にもつながることが期待される。
◆賃上げ
  • 物価に見合った賃金の引上げを通じて、需要の拡大につなげる好循環を実現することが重要。
  • 春闘の賃上げ率・最低賃金の改定率は過去最高水準。
    一方で、人材確保の必要性や物価動向を背景に、賃上げの原資となる業績の改善が見られない中で、賃上げを行う企業が増加。
◆省力化投資
  • 人手不足への対応策として、採用等の人材確保に加えて省力化に向けた設備投資も必要であるが、規模の小さな企業ほど省力化投資が進んでおらず、省力化の取組余地が大きい。
  • また、省力化投資は人手不足緩和だけでなく売上高増加にもつながることが期待される。
◆生産性
  • 日本の経済成長は海外と比べ見劣りする中で、今後は就業者数の減少が本格化する。
  • 国際的に見ても日本の生産性は低く、日本の国際競争力を維持するためには中小企業の生産性の引上げが必要。
◆生産性の分子・付加価値の向上に向けて
  • 生産性向上に向けて、日本企業は低コスト化・数量確保の取組を続けてきた。
    この結果、売上高や利益率は大企業が増加する一方、中小企業は発注側の売上減価低減の動きの中で低迷。
  • 今後は低コスト化・数量増加以上に、単価の引上げによる生産性の向上も追及する必要がある。
◆価格転嫁
  • 賃上げ原資の確保に向けては、価格転嫁の促進が重要。
    価格交渉が可能な取引環境が醸成されつつあるが、コスト増加分を十分に転嫁できておらず、転嫁率向上のための取組強化が課題。
  • 十分な価格転嫁のためには、適切な価格交渉が重要。 転嫁に関する協議の実施とともに、商品・製品の原価構成を把握して交渉を進めることが有効。
◆パートナーシップ構築宣言と取引の実態
  • パートナーシップ構築宣言企業は非宣言企業と比べて、より多くの発注先と価格協議を行っており、価格転嫁にもより高い水準で応じている傾向にある。
  • ただし、 協議に十分に応じていない企業も一定数存在するため、宣言の実効性向上のための取組も重要。
◆事業承継
  • 足下では経営者年齢の分布が平準化しつつあるものの、半数近くの中小企業で後継者が不在。
  • 一方、後継者が決まっている中小企業においても、承継の課題を抱えている企業が見られる。
◆経営改善・再生支援
  • 感染症の感染拡大以降、経営改善・再生支援のニーズが高まっている。
  • 金融機関の経営支援により、財務内容の改善等の効果が期待できる。
    経営改善・再生支援の効果を高めるためには、関係機関が一丸となって経営改善・再生支援に取り組むことが求められる。

詳細は以下を確認してください。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2024/PDF/2024gaiyou.pdf

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