タイムブロッキング活用法[第584回]

…時間のつくり方!

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司

自社の経営に、クライアントの経営支援にご活用ください。

中小企業の経営者が日々直面する最大の課題の一つは、限られた時間をいかに効率的に管理するかという問題です。急ぎの業務に追われながらも、経営戦略の策定やビジョンの実現といった重要な仕事に十分な時間を確保するためには、タイムブロッキングが有効な手段となります。
このコラムでは、タイムブロッキングの基本から具体的な実践方法までを解説し、中小企業経営者が時間を「つくる」ための思考法を提案します。

■タイムブロッキングとは…

タイムブロッキングは、カレンダーに事前に時間のブロックを設定し、その時間を特定のタスクや活動に専念する方法です。これにより、日々の仕事に対するコントロールを強化し、緊急でないが重要な業務にも集中する時間を保証します。

■タイムブロッキングのメリット

1.集中力の向上
一つのタスクに集中することで、そのタスクを効率よく高品質に完成させることができます。

2.時間泥棒の排除
予定されたブロックの外での予期せぬ仕事や中断を避け、時間の無駄遣いを減らします。

3.達成感の確保
一日の終わりに計画したタスクをすべてこなすことで、大きな達成感を味わうことができます。

■タイムブロッキング実践へのステップ

ステップ1:大枠の設定

まず、週単位でどのようなカテゴリの仕事があるかを把握し、それぞれのカテゴリに必要な時間を大まかに割り振ります。
例えば、「経営計画の策定」「マーケティング戦略の見直し」「社内ミーティング」などがこれに該当します。

ステップ2:ブロッキングの計画

週始めに30分を使って、一週間のタイムブロックを計画します。
この時、各タスクの緊急度と重要度を評価し、優先順位に基づいて時間を割り当てます。
重要ながらも緊急でないタスクには、中断されにくい時間帯を選ぶことがポイントです。

ステップ3:実施と調整

計画通りに一週間を運営し、終わりにどのブロックがうまく機能したか、どのタスクに時間が足りなかったかを評価します。
次週の計画にこの学びを活かし、フレキシビリティを持って時間割を調整することが成功の鍵です。

ステップ4:ルーティンの確立

タイムブロッキングを習慣化することで、自然と生産性が向上します。
また、日々のタスクに追われることなく、戦略的な業務や創造的な活動に集中できるようになります。

■経営者としての心構え

タイムブロッキングは単なる時間管理技術以上のものです。
これは、経営者としての自己規律、目標に対するコミットメント、そして何よりも会社と自身の未来への投資です。
計画的に時間を管理することで、緊急の業務に振り回されることなく、自分自身と会社の成長に集中できる時間を確保できます。

中小企業経営者は、タイムブロッキングを活用して日々のスケジュールを効果的に管理することで、業務の質を向上させ、個人としても組織としても大きな成果を上げることが可能です。
時間は限られていますが、その使い方一つで大きな差がつきます。試してみてください。

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