後継者には小さな経営を経験させる[第610回]

…自分の手で数字を作り、人を動かす経験を積ませる

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司

貴社の経営、クライアントの経営支援のネタにご利用ください。

中小企業の経営者にとって、後継者育成は非常に重要な課題です。
特に、親から子へ、あるいは社員から後継者を選ぶ場合、どのようにして“経営者の器”を育てるかに悩む方も多いのではないでしょうか。

そのような方にぜひお伝えしたいのが、「後継者には、自分で小さな事業を立ち上げさせ、実際に経営させることが最も効果的である」という考え方です。
なぜなら、経営というのは、理屈ではなく“実践”の中でしか身につかないからです。

■後継者教育に「小さな事業を任せる」理由

  1. 背中を見せるだけでは限界がある
    経営の本質は、実務と責任の中でしか学べません。理論や観察では身につかない“判断力”や“責任感”が必要です。
  2. 実際に事業を立ち上げさせる
    小規模の社内ベンチャーやプロジェクトを一任することで、市場調査から資金管理、採用、販売まで一貫して経験できます。
  3. “経営のリアル”を体験できる
    数字のプレッシャー、人材管理、取引先との交渉など、日々の判断に責任を持つことで“本物の経営感覚”が養われます。
  4. 失敗からこそ学びがある
    小さな事業なら失敗しても会社への影響は限定的です。むしろ、失敗から立ち直る力こそが、後継者の本当の成長を促します。
  5. 親(経営者)は伴走者に徹する
    答えを与えるのではなく、考えるヒントを与えることで、自立心と創造性を育てます。
  6. 将来の引き継ぎがスムーズに
    実務を通して力をつけた後継者なら、自信と覚悟を持って事業を受け継げます。

ある企業では、若手の後継者候補にECサイト運営や新規サービス立ち上げといった小さな事業を任せた結果、数字への感覚や部下のマネジメント力が飛躍的に高まりました。
その後、本業にも参画させたときには、周囲も納得するリーダーとして自然に受け入れられたそうです。

■まとめ

経営は教科書だけでは学べません。
だからこそ、「任せて失敗させる」「責任を持たせて育てる」このシンプルな原則が、もっとも効果的な後継者教育になります。

あなたの会社の未来を真剣に考えるなら、守られた環境の中でこそ思い切った経験をさせるべきです。
そして、自分の手で数字を作り、人を動かす経験を通して、本物の経営者としての「覚悟」と「責任感」を身につけさせてください。

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