税理士業界にもパラダイムシフトが始まっています。[第105回]

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


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 …新しいパラダイム『新・税理士』をご提案いたします。
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■税理士業界にもパラダイムシフトが始まっています。

『2015年8月24日、
 「クラウド会計ソフトfreee」
 「クラウド給与計算ソフトfreee」を運営する
 freee株式会社
 (本社:東京都品川区、代表取締役:佐々木大輔)は、
 シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタルDCM、
 株式会社リクルートホールディングス、ジャパン・コインベスト投資事業有限責任組合を
 引受先とし、総額35億円の第三者割当増資を実施することに合意したことを発表致します。
 今回を含めますと、2012年7月の創業時からの累積調達額は52億円超となります。』
(freee株式会社発表のプレスリリースより引用)

税理士事務所のオペレーションが、さらに変化を遂げる兆しを表わしている動きではないで
しょうか。今後ますます、IT化による業務の効率化が進行し、税理士業務における単純作業は
価値を失うはずです。

1979年にクオーツ式の時計が市場に拡散して、機械式時計の本場スイスの時計職人の大半が
失業した(ある統計によると、スイスの時計職人62,000人の内の50,000人が数年で
一挙に職を失ったと報告されています。)事象を思い起こします。
因みに、クオーツ時計でスイスを圧巻したのは日本の時計メーカーでした。

■新しい業務領域の開発が必要です。急いで取り組みましょう。

○新しい業務領域の条件:
1.今の業務の延長にあり、税理士事務所の現顧客やインフラ、業務の特性、これらの強みを
  生かせる領域でなければなりません。
2.付加価値の向上が必要です。
  IT化による低価格化を補って余りあるものでなければなりません。
3.スキルの及ぶ範囲でなければなりません。経営支援業務は極めて難解です。
※経営全般を支援するスキルを、税理士事務所が習得するのは現実的ではありません。
 収益を伴わない助言の範疇に、留めざるを得ないと考えます。

○仮説:
『税理士業務に付加するべきは「(限定した)財務分野」です。』
「(限定した)財務分野」とは、金融機関対応や、継続的な近未来の資金繰りサポートを
中心とする、中小零細・小規模企業、創業間もない会社や個人事業者様の継続的な財務部長機能を
差します。継続的な業務を想定しています。
※金融機関対応業務は、上記業務の一部です。

○理由:
1.税務業務との緊密性が強い、財務業務を継続的に引き受けるためのデータは、
  税務業務のそれとほぼ同じです。
2.導入の難易度が低い、経営支援の分野と比するとその導入は格段に容易です。
3.中小零細・小規模企業、創業間もない会社や個人事業者様の多くは財務無策であり、
  潜在的なニーズは極めて大きいはずです。
4.1の理由により、本業務の導入に関しては、税理士事務所が圧倒的に優位性と必然性を
  有しています。

■イノベーションは、消費者の欲望からではなく生産者の提案から始まります。
 「(限定した)財務分野」は、税理士事務所にとっての新しいマーケットです。
 創造しながら市場を開発していきませんか。

『経済における革新は、新しい欲望がまず消費者の間に自発的に現われ、その圧力によって
 生産機構の方向が変えられるというふうに行われるのではなく…(略)…、むしろ新しい欲望が
 生産の側から教え込まれ、したがってイニシアティブは生産の側にあるというふうにおこなわれる
 のが常である』
【経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上〉
  (岩波文庫) 文庫、ヨーゼフ・ シュムペーター (著)】

■新しいパラダイムは、『税理士』ではなく『新・税理士』です。

導入のための訓練プログラム・営業支援ツール等の準備を粛々と進めています。
多くの実績も伴っています。
『新・税理士』宣言を行っていただいた税理士事務所様は44事務所様、
訓練プログラムを6回以上受講いただいた銀行融資プランナー様は85名、
この和は確実に広がっています。
https://www.bankfinancial-planner.com/area-madoguchi/

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