金融機関対応の窓口は当事務所です。[第112回]

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


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…クライアントと金融機関の間に入り込む!この立ち位置こそ重要です。
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■金融機関対応(※本当は財務部長機能ですが…)
 を事務所の新サービス・収益源に育てようと
 お考えならば、発信するメッセージを変えてください。

◆間違えたメッセージ…これは消極的支援です。

○当事務所…「金融機関対応のお手伝いをさせていただきます。当事務所は、金融機関対応が得意
 です。必要書類の作成や、金融機関への同行も行います。」

このメッセージの真意は、
「社長自身が精一杯金融機関対応に励んでください。必要な書類も自分で考えて作って
ください。どうしても当事務所が作らなければならない資料は最後にお手伝いします。
金融機関への説明も社長自身で頑張って行ってください。どうしても必要なら私(当事務所)
も同行します。」

○クライアントの解釈…「手伝ってくれるのはありがたい。ただし、お手伝いにお金は払いたくない。
 無料でやってよ。そもそも必要な書類が何かもわからないのに、必要な書類の作成は
 お手伝いします…と言われても。」

◆正しいメッセージ…これが積極的支援です。

○当事務所…「金融機関対応は、当事務所が主体的に行います。社長様の金融機関対応に費やす手間暇
 を最小限に抑えます。原則すべてをお任せください。」

このメッセージの真意は、
「社長のご要望を伺った後は、必要書類の作成から金融機関への説明まで、原則すべて
当事務所が対応いたします。面談や契約時には、当然社長の同行を求めることになりますが。」

○クライアントの解釈…「そこまでやってくれるの。煩わしさのほとんどを取り除いてくれて本当に助かる。
 有料だけど仕方ないね。」

消極的支援の姿勢では、サービスの有料化はできません。積極的支援の姿勢で取り組んで
こそ、有料化が可能になります。
正しいメッセージに改めてください。当然対応を変えてください。

■金融機関対応(※本当は財務部長機能ですが…)を事務所の新サービス・収益源に
 育てようとお考えならば、その立ち位置を変えてください。

◆間違えた立ち位置…これは消極的支援です。

金融機関対応は、クライアントを通して行おうと考えておられます。金融機関との対応は、
『金融機関』→『クライアント』→『当事務所』の流れを想定して行います。
逆も同じです。
『当事務所』→『クライアント』→『金融機関』になります。

金融機関との対応窓口をクライアントに任せることで…
・クライアントの煩わしさを払しょくできません。感謝されません。
・間にクライアントを挟むことで、やり取りに齟齬が生まれます。非効率でもあります。

◆正しい立ち位置…これが積極的支援です。

当協会の正会員事務所が、クライアントから『財務部長の代行業務(=資金繰り円滑化
サービス)』や『金融機関対応(=資金調達やリスケ対応)』の業務を受託した時、
金融機関との対応窓口は、当協会の正会員事務所が引き受けます。
金融機関の連絡先は、クライアントではなく、『財務部長の代行業務』を担う当協会の
正会員事務所です。
『金融機関』→『当事務所』→『クライアント』の流れを構築します。逆も同じです。
『クライアント』→『当事務所』→『金融機関』になります。

金融機関との対応窓口の役回りをしっかりと担うことで…
・クライアントの煩わしさを払しょくできます。感謝されます。
・結果として、極めて効率的です。非効率ではありません。
・財務部長としての立ち位置を確保できます。

金融機関対応の窓口を当事務所が押さえる積極的対応を行うことのメリットは
計り知れません。決して非効率ではありません。実行してください。

※金融機関対応力習得研究会では、具体的な対応方法等のノウハウについても、
 都度事例を通じてお伝えしています。

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