事務所経営の良し悪しは、概ね値決めで決まります。[第192回]

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


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 …値上げと選別で繁盛貧乏からの脱却を!

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■収益と忙しさの状態で事務所を4つに分類すると以下になります。

1.繁盛高収益事務所
…「当事務所は忙しいです。故に大変儲かっています。」
2.閑散貧乏事務所
…「当事務所は暇です。故に儲かっていません。」

上記の二つは納得できます。また、

3.閑散高収益事務所
…「当事務所は多忙ではありませんが、それでもしっかり利益を出しています。」※所長の経営力が抜きん出ているようです。

一方、

4.繁盛貧乏事務所
…「当事務所は超多忙ですが、利益はありません。」
これらの差は、すべて経営力の差です。職員の問題ではなく、所長・経営の範疇です。

■繁盛貧乏事務所にならないように、また、そうであるならば抜け出すための方法を考えてみましょう。

繁盛貧乏に陥る事務所には概ね共通点があります。

◆理由1:価格(安売り)を売るための道具として安易に利用する。

事業は、その商品やサービス内容、ブランドで競合と戦っていかねばなりません。そのサービス内容やブランドを磨かずに、その不足分を価格で補おうとする行為は命取りです。価格は売るための道具ではありません。この認識と決意が必要です。
売るための道具として安易に低価格を訴求していると、繁盛貧乏に陥ります。
⇒価格(安売り)を売るための道具として安易に利用しないでください。

◆理由2:閑散であることに耐えられない。売上至上主義に陥る。

とにかく売上・顧問先が欲しい、間違えではありませんが、売上の総額だけを追いかけると、利益の概念が希薄になります。売上だけを求めずに、利益を同時に追いかけてください。
⇒売上(顧問先数)至上主義に陥らないでください。

◆理由3:心から利益を求めていない。

大きな利益をそもそも求めていない所長様も少なくありません。これぐらいで十分、この考えは自身に天井を作ってしまいます。心から利益を求めない事業体が高収益を上げることはありません。
⇒大きな利益を心の底から求めてください。

◆理由4:ビジネスモデルが疲弊している。事業領域が悪い。

「貴事務所は、他の事務所と何が違いますか?」この質問に対して、明確な解を提供できない事務所は絶対に儲かりません。この解を顧客に提供し続けること、そのために商品やサービス内容、ブランド等を徹底的に磨きましょう。
⇒どこにでもある税理士事務所は通用しない時代です。上手く行っても繁盛貧乏です。他にない何かを創り上げましょう。
※『新・税理士』を提唱いたします。
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◆理由5:客層が悪い。(生きる世界が悪い。)

世の中は原因と結果、因果の関係が明確に成立しています。良い事務所には良い顧客が、そうでない事務所にはそうでない顧客が、逆に、良い顧客は良い事務所を、そうでない顧客はそうでない事務所を選びます。鶏と卵…どっちが先かの議論に終着しますが、価格(安売り)を売るための道具として安易に利用すると、それに乗っかって、他者の価値を認めない顧客が訪れるようになります。いかがでしょうか?
⇒良い事務所(事業)を作って良い顧客とお付合いしましょう。

忙しいのに儲からない「繁盛貧乏」の状態は、事務所を根底から疲弊させてしまいます。この状態を継続すると、知恵を生む気力を奪い去ってしまいます。最終的に市場から退場する事務所の多くはこのパターンです。

1.価格(安売り)を売るための道具として安易に利用しないでください。
2.売上(顧問先数)至上主義に陥らないでください。
3.利益を心の底から求めてください。
4.他にない何かを創り上げましょう。
※『新・税理士』を提唱いたします。
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5.良い事務所(事業)を作って良い顧客とお付合いしましょう。

この機会にご再考いただければ幸いです。
繁盛高収益事務所、さらに閑散高収益事務所を目指しましょう。
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◆貴事務所も、この機会に
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