採用できない最大の理由はミスマッチです。[第196回]

(毎週火曜日配信)税理士事務所様の経営を考えるコラム
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


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 …自事務所の実力・報酬と求める人材・業務を最適化する!

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税理士事務所の人手不足が顕在化しています。
募集や告知方法などテクニカルな方法論の前に、本質について考えてみましょう。

■雇用する側の論理、雇用される側の論理…

◆「人が採れない」との声をよく耳にします。
確認すると、良い人が…、望む人が…、希望の報酬で…「採れない」とのことです。
◆一方、仕事を求めている人もたくさんいます。「就職が決まらない」との声も耳にします。
確認すると、良い会社が…、望む仕事が…、希望する報酬で…「見つからない」とのことです。

事務所側は、より良い人材をより安く(※実績を見極めるまでは特に安く)採用しようと考え、採用される側は、できるだけ良い会社にできるだけ(最初から)高い報酬で雇われようとします。このミスマッチが、採用難、就職難に拍車をかけています。

■人が欲しい事務所側の対応は…
※相手(被雇用者)の考えを変えることはできません。経営的にコントロールできない範疇です。自身の対応を変えるしか他に方法はありません。

1.採用対象を欲張らないでください。

悲観論ではなく現実論として、今の自所に応募してくれそうな人をターゲットに定めてください。事務所の実態、出せる給与・待遇…これらを客観的に判断して、この条件で採用できそうな人を求めてください。求める人材を高望みしていないか?この自問自答が必要です。繰り返しますが、悲観論ではなく現実論として、我々はほとんどが名のある有名企業ではありません。無名の中小企業です。
⇒(今の)力相応の人材・採れそうな人材を求めてください。

2.支給できる給与を再度検討してください。

「実績を出せば早めに昇給するつもり」との含みで、安めの給与を当初設定するのは得策ではありません。被雇用者から考えるとアンフェアです。含みではなく条件を明瞭にして提示しましょう。また、提示する金額が妥当かどうかをよく検証してください。採用側が提示する当初の金額が低すぎるケースが多いです。相場をよく
研究してください。高給で釣ることは間違え(罪)ですが、働く側にとって給与は大変重要です。労働の対価です。値踏みです。相場観をよく研究してください。
⇒採用条件を明瞭にしてください。
⇒給与は相場観に沿って適正にしてください。

3.給与と業務をバランスしてください。

薄給で難解な業務を求めるような採用文言を見かけることもあります。給与に応じた業務内容でなければなりません。決して高くない給与を提示する一方で、こんなことも、あんなことも…やって欲しい・チャレンジできる、これでは応募も集まりません。
※業務の内容と給与とのミスマッチ、業務の内容と能力のミスマッチ、これは、社員(職員)の退職理由の上位です。薄給で採用して高度な仕事を求める、能力の低い人に高度な仕事を求めてはいけません。人それぞれです。
⇒業務と給与・能力はバランスよく設定してください。

4.無いものネダリは止めましょう。前向きな達観が必要です。

優秀な人材が集まらないと嘆く所長様も少なくありません。自所や自分の現状を棚にあげて、優秀な人材を求める所長様がいますが、これも無いものネダリです。
○良い事務所(会社)になった時に、優秀な社員が入所します。良い社員が集まるから良い事務所(会社)になるのではありません。
○今の実力相応の社員が入所してきます。鏡の原理です。
○まれに、将来性に賭けて入所してくれる人もいます。(今の)力不相応な社員の雇用は、所長自身が一本釣りするしかありません。これをやってください。できなければあきらめましょう。
⇒力不相応の人材を求めてもうまくいきません。これも達観が必要です。まずは(今の)力相応の社員を求めましょう。

◎今の力相応の人材は、適正な報酬と告知を行えば採用できるはずです。採用できないのは、何かが間違えているからです。ご確認ください。
◎また、度を越した退職者が出るようであれば、これも何かが間違えています。ご確認ください。
◎募集や告知方法などテクニカルな方法論の前に、上記の1.~4.を再度ご確認ください。

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